新宿末廣亭 夜席 12/27 前半


 扇ぽう『たらちね』


扇遊師匠のお弟子さん。この高座が初めましての、はず。

時間が少し押していて短めでサゲ。

師匠の良いところを吸収してほしい。楽しみな前座さん。また聴きたい。



さん助『十徳』


『十徳』と書いて『じっとく』と読むのか。初めて聴いた噺。

十徳が何かイメージが掴めなかったので、いろいろ検索したがそこは割愛。

十徳は何故十徳というかを隠居に教えて貰い、仲間内に披露するが上手くいかずにどんどん正解が分からなっていく。落語らしい展開が楽しい噺。

二つ目の小駒さんと出番が交代しており、先を急いでいたのか、高座も少し駆け足に感じた。15分で時間に余裕がある状況でまた聴いてみたい。



小駒『からぬけ』


縁合って?二つ目披露の興行で4度高座を拝見している。二つ目になって印象が良くなった。前座の時より堂々としているように見える。

与太郎が馬鹿になりすぎてると聴くのが辛くなってくるが、程よく与太郎だった。『牛ほめ』の与太郎をどう演じるか観てみたいとふと思った。



とんぼ・まさみ『漫才』


定番のやりとりは定番だけありうけるが、後半のコント仕立ての部分は寄席には不向きだと思う。上方漫才の強みを見せてほしい。



菊之丞『長短』


菊之丞師匠の長さんはお馴染みの関西のバージョンで。

短七さんの気の短さが疾走感があっていつも楽しい。長さんもほんわかしていい。何回も観ているがいつも楽しめる。

寄席の空気がほんわりと温まった名演。



夢葉『奇術』


ストレート松浦さんの代演。

ロープの手品までたっぷりと。

お客さんとの対話が見える手品、さすが。



半蔵『反対俥』


今年はわりと寄席で観ることが多かった方。

熱量は感じたが、もう少し味というかがほしい。何故かぐっとこなかった。明るくて好きなのだが。

国立演芸場の定席での『鮑のし』はなかなか楽しい高座だったのにな。



鉄平『ざる屋』


本寸法で観せていただければすっと噺が入ってくるのだが、噺の本筋からズレるくすぐりが何度か出てくる高座は個人的には苦手。

この日のお客さんもどちらかと言えば私寄りな方が多かったと思う。



ぺぺ桜井『ギター漫談』


いつもと変わらずの。寄席に欠かせない色物さんだといつも感じる。正月の寄席でも引っ張りだこ。お身体を大事に長く続けて欲しい。



南喬『鮑のし』☆


本日のお目当てのお一人。三月の国立演芸場での『ふぐ鍋』でかなり楽しませていただいたのを思い出す。

今回のこの噺も大いに笑わせていただいた。

甚兵衛さんの科白や所作、一つ一つが本当に可笑しかった。

祝儀の口上を言い詰まる場面など、演技がわざとらしく見える噺家さんもたまにいらっしゃるのだが、南喬師匠が演じる甚兵衞さんは素に見えるので、こちらもスムーズに笑える。名人芸だと思う。

少し落ち着いてきた客席がどっと湧いた一席であった。