新宿末廣亭 夜席 12/27 後半

仲入り後


文雀『八問答』


初めて聴いた。世の中の物はすべて”八”の数字から成り立っているという落語らしい頓知の効いた噺。

神様は八百万、狸のなになには八畳敷きなどいろいろな物に八を絡めて話す流れが楽しい。覚えきれなかったので、音源で探してもう一度聴いてみよう。

この方は後半、現代のスポーツなども”八”を絡めて話していくという、この方の恐らく改作なのかな?

本寸法を聴いてみたいとも思ったが高座自体は楽しい一席。



ホームラン『漫才』


2018年、このお二方の漫才を一番多く観たであろう。一度某寄席で本番中に話かけてくださって、まごまごしているところを笑いに変えてくれたのは良い思い出。ベテランなのにエネルギッシュな漫才にいつも楽しませていただいている。



ひな太郎『そば清』


高座は上手いなっという感想は抱いたが、そこまで印象には残らなかった。こんな噺家さんという特徴がないというか。

この噺は清兵衛のどぉ〜もの所で割と笑いが起きやすいと思うが、客席自体の笑いも少なかった。

この一席ではもちろん判断しかねるので次に期待。



才賀『カラオケ刑務所』


初めて聴いた時は大いに笑った思い出。くだらないが良くできた替え歌だと思う。

他の応募された新作も満遍なく聴いてみたいと思うのは贅沢であろうか。

それにしても鈴本演芸場でのある日の寄席(同じ興行)でこの方の『親子酒』『松山鏡』を聴かれたのは貴重な機会であった。



仙三郎社中『太神楽』


時間が伸びていたので、傘の曲、土瓶、花笠を6分ほどで。寄席に彩りが加わる芸だ。



むかし家今松『柳田格之進』☆


この日の大トリ。お目当て。

まず、単刀直入に言う感想を申し上げると、2018年落語納めに相応しい最高の高座であった。

柳田格之進が娘に対する思いを語り、刀を振り上げるも源兵衛、番頭の首を打てず、の場面は圧巻で自然と涙が溢れそうになった。


序盤から中盤にかけては少し軽めの語り口、今松師匠の飄々とした雰囲気で噺は進んでいく。

この噺は初めから少し芝居芝居仕立てというか厳かな雰囲気で噺が進んでいくというイメージがあったが、今松師匠は起承転まではそこまで重くならず、という構成にしているのかなという印象であった。


その中でも中盤に番頭が柳田格之進に対し、金子が紛失したことを伝える場面では「長年番頭をやってきたのに、何故付き合いの浅い柳田という男がこれほど信頼されているのか...」という気持ちが伝わってくる。今松師匠の表情、声色が素晴らしかった。


2019年は今松師匠の高座をもっと追いかけていければと思った圧巻の高座であった。